株式会社極洋(証券コード:1301)は「水産品の貿易、加工、買い付け主力。すしネタに強み。加工食品は業務用が軸。海外加工比率が高い」企業です。最新の有価証券報告書に寄ると、平均給与は「725万円」となっており、「全国平均と比較してかなり高い」給与を受け取れる企業と言えます。
今回はこの株式会社極洋について、就職・転職すると年収がいくらになるのか?そして生涯年収がいくらになるのか?についても最新のデータを元に概算を算出します!
さらに、就職や転職に役立つ「企業概要」や「将来的なリスク」についても、有価証券報告書をベースに情報をまとめていますので、是非最後までご覧ください!
本記事の抽出データは連結のものを取り扱っており、「株式会社極洋」 の個別の数値ではありません。関連会社を考慮したものになっているため、各関連会社の実態と乖離する場合があります。そのため、「グループ会社全体の平均値」としてみると良いでしょう。
株式会社極洋の年収(年間平均給与)はいくら?【2023年度】
2023年06月27日に提出された有価証券報告書によると、株式会社極洋の平均年収は「725万円」と記載されています。全国平均の年収が457万円のため、全国平均と比較してかなり高い給与水準であると言えます。
年代別年収
株式会社極洋の年代別の平均年収を推計してみましょう。以下が、厚生労働省が発表をしている 賃金構造基本統計調査を元に試算した年代別の平均年収と推計(※)されます。
年代 | 推計平均年収 | 全年代比プラス幅 |
---|---|---|
20~24歳 | 529万円 | +0円 |
25~29歳 | 583万円 | 53万円 |
30~34歳 | 639万円 | 56万円 |
35~39歳 | 671万円 | 32万円 |
40~44歳 | 725万円 | 53万円 |
45~49歳 | 744万円 | 19万円 |
50~54歳 | 782万円 | 38万円 |
54~59歳 | 785万円 | 3万円 |
20代の推定平均年収は529万円〜583万円であり、30代の推定平均年収は639万円〜671万円となります。また、折り返し地点の40代からは725万円〜744万円とさらに年収が上がっていき、最大で785万円 といった平均年収を得る事ができる可能性があります。(※最大「平均」年収であり、社員の最大支給額はさらに高額な方もいらっしゃいます。)
(※)推計より低い年収であったり、さらに高い年収となる可能性があります。こちらの試算は、株式会社極洋が発表をしている有価証券報告書を元に弊メディア独自の基準で計算されています。正確な数値と異なる可能性がありますので、参考値としてご覧ください。
役職別年収は?
株式会社極洋の役職別年収についても見ていきましょう。厚生労働省が出している賃金構造基本統計調査の結果を元に、有価証券報告書のデータを用いて、各役職についての推定年収を計算すると以下のようになります。
株式会社極洋では、係長クラスになると、837万円の年収が想定されます。 また、課長クラスになると、1263万円となり、部長クラスになると、1589万円の年収になることが期待されます。
役職 | 推計平均年収 |
---|---|
係長 | 837万円 |
課長 | 1263万円 |
部長 | 1589万円 |
(※)各会社により上記の数値と実態が異なる可能性があります。あくまで平均的な数値として参考にしてください。
推定生涯収入は?
株式会社極洋の推定生涯収入は、およそ「3億1184万円」と推計(※)されます。
これは、大学以上卒の男性の平均生涯収入(退職金を含めない)である「2億6,190万円」を大幅に上回る金額です。そのため、給与面では非常に満足できる会社であえると言えます。
(※)生涯賃金=平均年収×勤務年数(22~65歳の43年間の計算による)
株式会社極洋の事業内容は?
株式会社極洋の事業内容について、最新の情報をもとに、深掘りしていきましょう。
2023年06月27日に提出された有価証券報告書には、以下のように事業内容が記載されています。わからない部分や疑問に思った部分は自分で調べつつ、企業研究の意味も込めて一読することをお勧めします!
水産商事事業
極洋は水産商事事業を主力として展開しています。水産物の買付や加工、そして販売までを一貫して手がけることで、高品質な海産物を提供しています。北海道や青森などの豊かな海で獲れる新鮮な魚介類を取り扱い、国内外の市場に幅広く供給しています。
食品事業
極洋は業務用冷凍食品や市販用冷凍食品、缶詰、海産物珍味などの製造と販売を行っています。食品安全への取り組みや品質管理に力を入れ、消費者に安心して美味しい食品を提供しています。革新的な商品開発にも取り組んでおり、多彩なニーズに応えています。
鰹・鮪事業
極洋はカツオやマグロなどの鰹・鮪の漁獲、養殖、買付、加工、販売を行っています。高い技術力と環境への配慮を重視し、持続可能な漁業を推進しています。高い評価を受ける鰹や鮪を提供することで、お客様の満足度を高めています。
物流サービス事業
極洋は冷蔵倉庫事業をキョクヨー秋津冷蔵を通じて展開しています。優れた物流システムと適切な冷凍設備を活用し、食品や水産物の保管や流通を支援しています。高い品質管理と迅速な配送体制により、お客様のニーズに確実に応えています。
株式会社極洋に向いている人とは?
株式会社極洋は、水産商事事業、食品事業、鰹・鮪事業、物流サービス事業を主軸としており、食品業界で確固たる地位を築いています。転職を考える方には、食品や水産物に興味を持ち、成長意欲を持っている方が向いています。
極洋グループは、多様な事業を展開しているため、新しい分野にチャレンジしたい方やスキルを磨きたい方にとって魅力的な環境です。食品や水産物に関する知識や経験を活かし、業界でのキャリアを築くことができます。
転職した際には、食品や水産物のプロフェッショナルとして活躍するチャンスが広がります。極洋グループの事業は、国内外に影響を与える大規模なものであり、自身の業績や成長に直結する環境が整っています。
新しい職場での挑戦が始まれば、自分のスキルや経験を活かしつつ、新たな視点やアイデアを取り入れることができます。極洋グループは、多彩な事業を展開しているため、幅広いキャリアパスが用意されており、自己成長を実感できる環境です。
転職を通じて極洋グループに参加すれば、食品や水産物業界での専門知識を固め、産業界での地位を築くことができます。自らの能力を最大限に発揮し、極洋グループとともに市場に新たな価値を創造していくことが可能です。
株式会社極洋の業績ってどう?
有価証券報告書の情報をもとに、株式会社極洋の業績を見ていきましょう。
最新年度と直近年度の売上高
2023年06月27日に提出された有価証券報告書によると、直近5年間の売上高は以下のようになっています。
4年前の売上高が2561億5100万円、3年前の売上高が2625億1900万円、2年前の売上高が2491億9700万円、 そして昨年度の売上高が2535億7500万円、 最新年度の売上高が2721億6700万円、となっています。
4年前から売上高はなんと6%(額でいうと160億1600万)増加しており、昔と比較して成長している企業だと言えます。急成長している企業とまではいきませんが、以前よりも最新年度比較では良い環境になっていると言えます。
最新年度と直近年度の利益
2023年06月27日に提出された有価証券報告書によると、直近5年間の経常利益は以下のようになっています。
4年前の経常利益が44億3400万円、3年前の経常利益が36億800万円、2年前の経常利益が48億7900万円、 そして昨年度の経常利益が69億400万円、 最新年度の経常利益が81億8200万円、となっています。
4年前から経常利益はなんと85%(額でいうと37億4800万)増加しており、昔と比較して順調に成長している企業だと言えます。
従業員数の推移
株式会社極洋の現在の従業員数は「2112人」となっています。以前の従業員の増減推移も確認してみましょう。
従業員数は4年前から「152人」減少しており、企業としては人件費を最小限に抑える方向へ進行しています。このケースで業績が良いパターンはかなり稀ですが、もしそうであるならば社内の構造改革が非常に上手くいっている事も考えられます。大部分の場合採用計画が遅れをとっており、それに合わせて転職難易度が高くなるとともに企業としても少し厳しい状況にある可能性があります。気になる方はその原因を調べてみてください。
1人当たり売上高分析・年収増加可能性
株式会社極洋の業績(売上高・経常利益とその推移)に加え、従業員数についても確認してきました。これらのデータから1人当たり業績をそれぞれ算出し、社員一人がどれくらい会社にインパクトを与えているかを数値化してみましょう。
また、平均年収と一人当たり業績を比較することで、年収が上がる可能性についても考察してみます。
(※弊メディア独自の算出による考察のため、参考程度にご活用ください)
1人当たり売上高
まずは1人当たり売上高をみていきましょう。
4年前の1人あたり売上高は「1億1314万円」であり、最新年度の1人あたり売上高は「1億2886万円」となっています。
4年前と比較して順当に一人当たりの売上高が伸長しており、社員一人当たりの生産性が高まっている事が考えられます。
最新年度の1人あたり売上高は驚異の億超え(1億2886万円)となっており、非常に高付加価値な仕事をしていると言っても良いでしょう。
1人当たり売上高の過去推移
社員1人あたり売上高の過去5年間の推移も掲載しておきますので、参考までにご覧下さい。
株式会社極洋の事業リスクについて
株式会社極洋の事業リスクについて、その会社を深く知るにあたっては非常に大事な事です。事業リスクを理解した上で就職・転職活動に臨む事が理想とされます。
最新の有価証券報告書には、最新の企業状況と外部環境を元に、非常に丁寧にリスクを記載している会社もあります。ここでしっかりと確認しておきましょう。
最新の有価証券報告書から、株式会社極洋の事業リスクとしては以下のように記載されています。
食品の安全性の問題
食品業界において、品質と安全性は最も重要な要素の一つです。原材料の調達から製造、流通まで、すべての過程で安心・安全な食品を提供することが求められます。しかし、予期せぬ製品クレームや食品事故が発生した場合、企業の業績や信頼性に大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、品質管理体制の徹底と迅速な対応が不可欠です。
海外事業に関するリスク
国際市場での事業展開は潜在的なリスクを伴います。海外での法律や規制の変更、政治的不安定、自然災害などの要因が企業の業績に直接影響を及ぼす可能性があります。物流の不備や社会的混乱による資産や人材確保の困難さも海外事業に潜むリスクの一つです。
原材料価格の変動
原材料価格の変動は企業にとって大きな影響を与える要因の一つです。特に水産業のような原材料を主要取引先とする業界では、漁獲規制や気候変動などによる価格の変動が業績に直結します。十分なリスクマネジメントが必要です。
養殖事業におけるリスク
魚病や自然災害など、養殖事業には様々なリスク要因が存在します。これらの予測困難な要因によって養殖施設や魚の被害が発生すると、企業の業績が直接影響を受ける可能性があります。事前のリスク評価と十分な対策が求められます。
為替レートの変動
為替レートの変動は輸出入業の企業にとって重要なリスク要因です。円高や円安が企業の利益率に与える影響は大きく、為替ヘッジが不可欠です。急激な為替変動が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
原油価格の変動
原油価格の変動は重油を燃料とする企業にとって重要なリスク要因です。原油価格の上昇はコスト増加につながり、企業の業績に直接影響を及ぼす可能性があります。効果的なコスト管理とリスクヘッジが不可欠です。
自然災害への対応
自然災害は企業にとって突然のリスク要因となり得ます。地震や台風、津波などが発生した場合、企業の施設や人員に被害が及ぶ可能性があります。事前の災害対策計画の策定と迅速な対応が不可欠です。
情報システムに関するリスク
企業の情報システムは情報漏洩やシステム障害に晒されています。コンピューターウイルスや不正アクセスなどが発生すると、企業機密の漏洩や業務の障害につながります。適切なセキュリティ対策と定期的なリスク評価が不可欠です。
サステナビリティに関するリスク
企業のサステナビリティ(持続可能性)は今後ますます重要性を増しています。環境への配慮や社会的責任を果たすことが求められる中、企業の持続可能な成長を脅かすリスク要因も存在します。サステナビリティへの取り組みは企業価値を高める重要な要素となります。
株式会社極洋の沿革・歴史
株式会社極洋の沿革は、以下のようになっています。
年月 | 内容 |
---|---|
1937年9月 | 当社は母船式捕鯨事業並びに各種漁業、水産物の加工販売を主たる事業目的として極洋捕鯨株式会社の商号をもって資本金500万円にて東京市丸の内に設立 |
1949年5月 | 東京・大阪・名古屋証券取引所市場第一部に上場 |
1970年6月 | 八戸市に冷凍工場を新設 |
1971年1月 | 株式会社極洋に商号変更 水産物・農畜産物等の買付販売を目的に極洋商事株式会社を設立 |
1973年7月 | 冷蔵運搬船事業に本格的進出 |
1976年6月 | 捕鯨部門を日本共同捕鯨株式会社に譲渡 |
1980年11月 | 冷凍食品の製造を目的に極洋食品株式会社を設立 |
1984年10月 | 冷凍食品・チルド食品の製造を目的にキョクヨーフーズ株式会社を設立 |
1988年1月 | 決算期を10月31日から3月31日に変更 |
1991年2月 | 塩釜市に塩釜研究所を新設 |
1996年1月 | 水産物の買付販売を目的にKyokuyo America Corporationを設立 |
1997年3月 | 海外まき網事業、カツオ・マグロの売買及び加工事業を目的に極洋水産株式会社を設立 |
1997年5月 | 本社事務所を東京都港区赤坂に移転 |
1998年8月 | チルド食品及び冷凍食品の製造を目的に株式会社ひたちなか極洋を設立 |
1999年3月 | 秋津冷蔵株式会社に冷蔵庫事業を営業譲渡 |
2000年4月 | 冷凍食品の供給体制の強化、充実を図るため、極洋食品株式会社に八戸工場の事業を営業譲渡 |
2001年10月 | 効率的な生産体制の確立を目的に極洋食品株式会社と株式会社ひたちなか極洋を合併 |
2002年12月 | 本社、東京支社、キョクヨー総合サービス株式会社にて、環境マネジメントシステムISO14001認証取得 |
2004年12月 | 関係会社を含めたキョクヨーグループ全体で環境マネジメントシステムISO14001拡大認証取得 |
2005年5月 | タイに冷凍食品の製造及び販売を目的に合弁会社K&U Enterprise Co.,Ltd.を設立 |
2006年8月 | オランダに冷凍食品の買付販売を目的にKyokuyo Europe B.V.を設立 |
2007年7月 | マグロその他水産物の養殖、加工及び販売業を目的にキョクヨーマリンファーム株式会社を設立 年月概要 |
2008年9月 | 海産物珍味の製造及び販売を営む関連会社、株式会社ジョッキの株式を追加取得、連結子会社化 |
2010年5月 | マグロその他水産物の養殖、加工及び販売業を目的にキョクヨーマリン愛媛株式会社を設立 |
2010年6月 | マグロその他水産物の加工及び販売を目的に極洋フレッシュ株式会社を設立 |
2010年8月 | サケ製品の加工及び販売を営む海洋フーズ株式会社の株式を取得、連結子会社化 |
2012年11月 | クロマグロの種苗生育から親魚の養成及び販売を行う合弁会社、極洋日配マリン株式会社を設立 |
2013年6月 | 市販商品事業の拡大を目指し、市販用ブランド「シーマルシェ」を発表 |
2014年4月 | ASEAN市場に向け日本食材の販売を行うことなどを目的にKyokuyoCo.,Ltd.を設立 |
2014年9月 | ソフトウェアの開発及び保守を営む関連会社、インテグレート・システム株式会社の株式を追加取得、連結子会社化 |
2015年7月 | マグロその他水産物等の加工及び販売を行うことなどを目的に指宿食品株式会社を設立 |
2016年3月 | 水産加工品の製造及び販売を営む関連会社、株式会社エィペックス・キョクヨーの株式を追加取得、連結子会社化 |
2016年9月 | 冷蔵運搬船事業から撤退 |
2017年11月 | 完全養殖クロマグロ「本鮪の極 つなぐ<TUNAGU>」を初出荷 |
2019年4月 | タイに冷凍食品の製造及び販売を目的にKYOKUYO GLOBAL SEAFOODS Co.,Ltd.を設立 |
2019年9月 | マダイその他水産物の養殖及び販売を営む株式会社クロシオ水産の株式を取得、連結子会社化 |
2022年4月 | 東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行。 |
2022年7月 | ベトナムに食品の製造等を目的にKyokuyo Vina Foods Co., Ltd.を設立 |
株式会社極洋の会社基本情報
最後に、株式会社極洋の基本情報を押さえておきましょう!
項目 | 内容 |
---|---|
会社名 | 株式会社極洋 |
会社名(英語表記) | KYOKUYO CO.,LTD. |
住所 | 東京都港区赤坂三丁目3番5号 |
代表取締役社長 | 代表取締役社長 井 上 誠 |
電話番号 | 03(5545)0703 |
特色 | 水産品の貿易、加工、買い付け主力。すしネタに強み。加工食品は業務用が軸。海外加工比率高い |
まとめ
今回の記事では、株式会社極洋の年収を中心として、会社そのものの業績(売上高・経常利益)を過去推移から分析し、従業員数をはじめとした、会社環境なども含めた情報からも調査をしてきました。
会社選びを実施する上で、企業の最新データを有価証券報告書から読み解くことは非常に大事です。客観的な事実を俯瞰して観察し、ご自身の会社選びに活用していってください!
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