ザインエレクトロニクス株式会社(証券コード:6769)はLSIおよびAIOT事業を展開するザインエレクトロニクス株式会社は、画像データ伝送LSI製品の開発・販売やAI/IoT機器製造・販売を行う会社です。最新の有価証券報告書に寄ると、平均給与は「751万円」となっており、「全国平均と比較してかなり高い」給与を受け取れる企業と言えます。
今回はこのザインエレクトロニクス株式会社について、就職・転職すると年収がいくらになるのか?そして生涯年収がいくらになるのか?についても最新のデータを元に概算を算出します!
さらに、就職や転職に役立つ「企業概要」や「将来的なリスク」についても、有価証券報告書をベースに情報をまとめていますので、是非最後までご覧ください!
ザインエレクトロニクス株式会社の年収(年間平均給与)はいくら?【2024年度】
2024年03月27日に提出された有価証券報告書によると、ザインエレクトロニクス株式会社の平均年収は「751万円」と記載されています。全国平均の年収が457万円のため、全国平均と比較してかなり高い給与水準であると言えます。
年代別年収
ザインエレクトロニクス株式会社の年代別の平均年収を推計してみましょう。以下が、厚生労働省が発表をしている 賃金構造基本統計調査を元に試算した年代別の平均年収と推計(※)されます。
年代 | 推計平均年収 | 全年代比プラス幅 |
---|---|---|
20~24歳 | 385万円 | +0円 |
25~29歳 | 480万円 | 94万円 |
30~34歳 | 546万円 | 65万円 |
35~39歳 | 639万円 | 92万円 |
40~44歳 | 678万円 | 39万円 |
45~49歳 | 751万円 | 73万円 |
50~54歳 | 792万円 | 41万円 |
54~59歳 | 820万円 | 27万円 |
20代の推定平均年収は385万円〜480万円であり、30代の推定平均年収は546万円〜639万円となります。また、折り返し地点の40代からは678万円〜751万円とさらに年収が上がっていき、最大で820万円 といった平均年収を得る事ができる可能性があります。(※最大「平均」年収であり、社員の最大支給額はさらに高額な方もいらっしゃいます。)
役職別年収は?
ザインエレクトロニクス株式会社の役職別年収についても見ていきましょう。厚生労働省が出している賃金構造基本統計調査の結果を元に、有価証券報告書のデータを用いて、各役職についての推定年収を計算すると以下のようになります。
ザインエレクトロニクス株式会社では、係長クラスになると、884万円の年収が想定されます。 また、課長クラスになると、1162万円となり、部長クラスになると、1493万円の年収になることが期待されます。
役職 | 推計平均年収 |
---|---|
係長 | 884万円 |
課長 | 1162万円 |
部長 | 1493万円 |
推定生涯収入は?
ザインエレクトロニクス株式会社の推定生涯収入は、およそ「3億2327万円」と推計(※)されます。
これは、大学以上卒の男性の平均生涯収入(退職金を含めない)である「2億6,190万円」を大幅に上回る金額です。そのため、給与面では非常に満足できる会社であえると言えます。
ザインエレクトロニクス株式会社の事業内容は?
ザインエレクトロニクス株式会社の事業内容について、最新の情報をもとに、深掘りしていきましょう。
2024年03月27日に提出された有価証券報告書には、以下のように事業内容が記載されています。わからない部分や疑問に思った部分は自分で調べつつ、企業研究の意味も込めて一読することをお勧めします!
LSI事業
LSI事業は、独自のアナログ設計技術および論理設計技術を活かして、各種用途向けミックスドシグナルLSIを開発し、自社ブランドで販売しています。主な製品には、高速画像データ伝送用のLSIや電源制御用LSI、LEDドライバ、画像処理用LSIなどがあります。これらの製品は、情報伝送の高速化や安定した表示、低消費電力化、小型化、ニーズに応じた機能を実現するために幅広い市場で活用されています。
IPライセンス事業
IPライセンス事業では、製品として開発したLSIなどのコア技術を第三者にライセンス提供し、ロイヤリティー収入を得ています。この事業を通じて、自社の技術力や知的財産を活用し、幅広い市場に貢献しています。
AIOT事業
AIOT事業では、AI/IoT/M2M機器やモバイル通信機器のハードウェア・ソフトウェアの開発・製造・販売を行っています。通信モジュール製品や通信ゲートウェイ、モバイルルーターなどのIoT機器を提供し、4G/5G/LTE通信技術やAI技術を活用したソリューション開発も行っています。これらの製品やサービスを通じて、お客様に革新的な付加価値を提供しています。
ザインエレクトロニクス株式会社に向いている人とは?
ザインエレクトロニクス株式会社はLSI事業とAIOT事業を展開する成長中の企業です。LSI事業では独自のアナログ設計技術と論理設計技術を活かし、画像データ伝送用のLSIや電源制御用LSI、画像処理用LSIなどを開発・販売しています。
AIOT事業では、AI/IoT/M2M機器や無線通信モジュール製品の開発・販売を行っており、モバイル通信機器やIoT機器のニーズに応えています。
この会社に向いているのは、技術に興味があり、製品開発に携わりたいという方です。また、市場ニーズを的確に捉え、革新的なソリューションを提供したいと考える方にもぴったりです。
転職したら、自社の製品に携わることで、最先端の技術に触れる機会を得ることができます。また、新たなビジネス領域での知識や経験を積むことで、自己成長を促進することができるでしょう。
技術革新を追求し、クリエイティブなアプローチを試みることが好きな方にとって、ザインエレクトロニクス株式会社は充実した働きがいを提供してくれるはずです。挑戦を楽しみ、成長を求める方には、この企業での職場環境が新たな可能性を広げてくれるでしょう。
ザインエレクトロニクス株式会社の業績ってどう?
有価証券報告書の情報をもとに、ザインエレクトロニクス株式会社の業績を見ていきましょう。
最新年度と直近年度の売上高
2024年03月27日に提出された有価証券報告書によると、直近5年間の売上高は以下のようになっています。
4年前の売上高が48億8243万円、3年前の売上高が28億7968万円、2年前の売上高が44億4174万円、 そして昨年度の売上高が54億5686万円、 最新年度の売上高が50億1874万円、となっています。
4年前から売上高はなんと3%(額でいうと1億3631万)増加しており、昔と比較して成長している企業だと言えます。急成長している企業とまではいきませんが、以前よりも最新年度比較では良い環境になっていると言えます。
最新年度と直近年度の利益
2024年03月27日に提出された有価証券報告書によると、直近5年間の経常利益は以下のようになっています。
4年前の経常利益が2億4699万円、3年前の経常利益が-7億7764万円、2年前の経常利益が6億9881万円、 そして昨年度の経常利益が9億692万円、 最新年度の経常利益が7169万円、となっています。
4年前から経常利益は71%(額でいうと-1億7529万)減少しており、昔と比較して経常利益の面においては減少傾向の企業だと言えます。
従業員数の推移
ザインエレクトロニクス株式会社の現在の従業員数は「133人」となっています。以前の従業員の増減推移も確認してみましょう。
従業員数は4年前から「7人」減少しており、企業としては人件費を最小限に抑える方向へ進行しています。このケースで業績が良いパターンはかなり稀ですが、もしそうであるならば社内の構造改革が非常に上手くいっている事も考えられます。大部分の場合採用計画が遅れをとっており、それに合わせて転職難易度が高くなるとともに企業としても少し厳しい状況にある可能性があります。気になる方はその原因を調べてみてください。
1人当たり売上高分析・年収増加可能性
ザインエレクトロニクス株式会社の業績(売上高・経常利益とその推移)に加え、従業員数についても確認してきました。これらのデータから1人当たり業績をそれぞれ算出し、社員一人がどれくらい会社にインパクトを与えているかを数値化してみましょう。
また、平均年収と一人当たり業績を比較することで、年収が上がる可能性についても考察してみます。
(※弊メディア独自の算出による考察のため、参考程度にご活用ください)
1人当たり売上高
まずは1人当たり売上高をみていきましょう。
4年前の1人あたり売上高は「3487万円」であり、最新年度の1人あたり売上高は「3773万円」となっています。
直近の数年間で社員一人当たりの売上高はさほど変わっておらず横ばいで、社員一人当たりの生産性の成長は据え置きと考えても良いでしょう。ただし、企業全体の売上高が伸びている場合はM&Aなどを実施して企業としての規模は成長していると言えます。
最新年度の1人あたり売上高は1千万超であり(3773万)、社員1人当たりの仕事の付加価値は高いと言えるでしょう。
1人当たり売上高の過去推移
社員1人あたり売上高の過去5年間の推移も掲載しておきますので、参考までにご覧下さい。
ザインエレクトロニクス株式会社の事業リスクについて
ザインエレクトロニクス株式会社の事業リスクについて、その会社を深く知るにあたっては非常に大事な事です。事業リスクを理解した上で就職・転職活動に臨む事が理想とされます。
最新の有価証券報告書には、最新の企業状況と外部環境を元に、非常に丁寧にリスクを記載している会社もあります。ここでしっかりと確認しておきましょう。
最新の有価証券報告書から、ザインエレクトロニクス株式会社の事業リスクとしては以下のように記載されています。
半導体市場の価格競争
半導体製品の市場は競争が激しいです。技術革新や顧客ニーズの変化に加え、新規参入も頻繁に行われます。企業は競争力のある価格で製品を提供する必要があります。しかし、低価格競争や新規参入業者の増加により、価格競争が激化するリスクがあります。競争に対処するために、新技術を取り入れた製品開発を行い、価格競争に対抗する努力が求められています。
製造委託先や仕入先との関係
製造や仕入にあたり、信頼できる協力パートナーを維持することが重要です。しかし、製造委託先や仕入先から、適切な製品供給が得られないリスクが存在します。特に、輸出規制や供給キャパシティの逼迫などの理由により、製品供給が安定しない場合、企業の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。製造や仕入先との信頼関係を築きつつ、リスクに備える体制が求められています。
顧客への依存度
特定の顧客への依存度が高いと、リスクが増大する可能性があります。顧客集中リスクは、何らかの理由により特定の顧客との取引が困難になった場合に企業に大きな影響を与える可能性があります。複数の顧客に均等に製品を提供し、依存度を分散させることが重要です。また、新規顧客の開拓も大切です。
研究開発プロジェクトの収益性
研究開発プロジェクトは、新技術や新製品を生み出す上で重要だが、投入した費用を回収できないリスクがあります。市場の需要変化や競合他社の動向により、開発した製品が収益を生み出さない可能性があります。企業はリスクを見極めながら、収益性の高い研究開発プロジェクトに投資する必要があります。
製品品質と責任
製品の品質管理は企業活動において重要だが、欠陥の発生や販売先からの損害賠償請求などのリスクが存在します。製品に不具合があった場合、責任を問われる可能性があります。企業は品質マネジメント体制を強化し、厳格な品質管理を行うことで、製品品質向上と責任の明確化に努める必要があります。
ザインエレクトロニクス株式会社の沿革・歴史
ザインエレクトロニクス株式会社の沿革は、以下のようになっています。
年月 | 内容 |
---|---|
1991年5月 | 半導体メーカーからの受託設計を目的として、株式会社ザイン・マイクロシステム研究所を設立。 |
1992年6月 | 三星電子株式会社向けメモリー開発設計を目的として、三星電子株式会社との合弁でザインエレクトロニクス株式会社を設立。 |
1993年1月 | 株式会社ザイン・マイクロシステム研究所の本社を東京都中央区日本橋大伝馬町へ移転。 |
1995年6月 | 台湾の製造委託管理会社として、光友股份有限公司・光菱電子股份有限公司との合弁により、旭展電子股份有限公司を設立。 |
1997年2月 | 自社ブランドによる液晶ディスプレイ向けデジタル信号処理チップの出荷開始。 |
1998年3月 | 当社代表取締役飯塚哲哉が、三星電子株式会社および株式会社ザイン・マイクロシステム研究所が保有する当社株式全部を買い取り、三星電子株式会社との合弁を解消。5月半導体の設計開発に特化、自社工場を持たずチップの製造を専業メーカーに委託するファブレス企業のビジネスモデルを構築。9月株式会社ザイン・マイクロシステム研究所の株式を買い取り、100%子会社化を実施。 |
2000年1月 | 株式会社ザイン・マイクロシステム研究所を吸収合併。同時に本社を東京都中央区八丁堀へ移転。9月台湾における当社製品の販売拠点として、100%出資子会社である哉英電子股份有限公司を設立。 |
2001年8月 | 日本証券業協会に株式を店頭登録。 |
2002年5月 | ギガテクノロジーズ株式会社に資本参加。 |
2003年2月 | ギガテクノロジーズ株式会社に追加出資し、100%子会社化を実施。5月本社を東京都中央区日本橋本町へ移転。8月ギガテクノロジーズ株式会社を解散。 |
2004年12月 | 株式会社ジャスダック証券取引所に株式を上場。 |
2009年1月 | ウィンボンド・エレクトロニクス社より画像処理用LSI事業の譲受けを行い、ザイン・イメージング・テクノロジ株式会社として発足。10月ザイン・イメージング・テクノロジ株式会社を解散。 |
2010年1月 | 本社を東京都千代田区丸の内へ移転。3月ザインエレクトロニクスコリア株式会社を設立。4月ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大阪証券取引所に上場。 |
2012年5月 | 本社を東京都千代田区神田美土代町へ移転。11月賽恩電子香港股份有限公司を設立。 |
2013年5月 | 前海賽恩電子有限公司を設立。7月東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQに上場。 |
2019年1月 | シリコンライブラリ株式会社と資本業務提携。THine Solutions, Inc.を設立。キャセイ・トライテック株式会社の発行済株式数の52.39%を取得し、同社および同社の子会社である深圳泰晨通訊科技有限公司を連結子会社化。キャセイ・トライテック株式会社の株式を追加取得。 |
2022年4月 | 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のJASDAQからスタンダード市場に移行。 |
ザインエレクトロニクス株式会社の会社基本情報
最後に、ザインエレクトロニクス株式会社の基本情報を押さえておきましょう!
項目 | 内容 |
---|---|
会社名 | ザインエレクトロニクス株式会社 |
会社名(英語表記) | THine Electronics, Inc. |
住所 | 東京都千代田区神田美土代町9-1 |
代表取締役社長 | 代表取締役社長 南 洋一郎 |
電話番号 | 03(5217)6660 |
特色 | 自社ブランド品を独自開発するファブレス半導体メーカー先駆。信号伝送用等の技術力に強み |
まとめ
今回の記事では、ザインエレクトロニクス株式会社の年収を中心として、会社そのものの業績(売上高・経常利益)を過去推移から分析し、従業員数をはじめとした、会社環境なども含めた情報からも調査をしてきました。
会社選びを実施する上で、企業の最新データを有価証券報告書から読み解くことは非常に大事です。客観的な事実を俯瞰して観察し、ご自身の会社選びに活用していってください!
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